2019年01月26日

ふるさと納税の返礼品に対する課税(2)


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ふるさと納税の返礼品に対する課税(2)


 名古屋の税理士の大矢芳敬です。

ふるさと納税をして返礼品を貰った場合の一時所得の計算のしかたについて検討します。

 前回(昨年の年末)、所得税法第34条第1項をご紹介しましたが、第2項と第3項には次のように規定されています。

2 一時所得の金額は、その年中の一時所得に係る総収入金額からその収入を得るために支出した金額(その収入を生じた行為をするため、又はその収入を生じた原因の発生に伴い直接要した金額に限る。)の合計額を控除し、その残額から一時所得の特別控除額を控除した金額とする。

3 前項に規定する一時所得の特別控除額は、五十万円(同項に規定する残額が五十万円に満たない場合には、当該残額)とする。

 平たく言うと、返礼品を金額に換算したらいくらですか。それに課税しますよ。でも、返礼品を貰うために支払った金額があれば、それは引きますよ。更に50万円も引きますよ。ということです。

 返礼品に対する課税についてホームページを見てみると、以下のようなサイトがあります。

ふるさと納税紹介サイト「さとふる」のよくあるご質問の回答として「ふるさと納税(寄付)が収入(お礼品)を得るための支出として扱われず、寄付金控除の対象とされていることに伴うものであり、・・・」と書かれています。
https://www.satofull.jp/static/faq/details.php?id=79

さいたま市のホームページのQ&Aの回答にも「その収入を得るために支出した金額の合計額(寄附金として支出した金額は含まれません。)」という説明があります。
https://www.city.saitama.jp/001/004/002/001/002/p041914.html

いずれも、「ふるさと納税(寄附金)は、その収入を得るために支出した金額には該当しない。」と言っています。
つまり、一時所得の計算は、「返礼品の価額−50万円」ということです。

しかし、疑問点もあります。その疑問点について、次回以降で述べたいと思います。

 
posted by 大矢会計 at 12:53| Comment(0) | 税金全般

2018年12月29日

ふるさと納税の返礼品に対する課税(1)


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ふるさと納税の返礼品に対する課税(1)


 名古屋の税理士の大矢芳敬です。


 今年も残すところあと3日となりました。
ふるさと納税をして、今年の税金を安くしようと思っているあなた。あと72時間を切りました。
 2019年0時を過ぎると、安くなるのは来年の税金です。(自分では2018年12月31日23時59分に寄附をしたつもりでも、ふるさと納税の領収書に記載されている領収日が平成30年12月31日である保証はありません。)今年にふるさと納税をしたい方は、お急ぎ下さい。

 さて、今回は返礼品にかかってくる税金の話です。

 山形県寒河江市が発行するふるさと納税の領収書に、「返礼品は一時所得として課税対象となる場合があります。」という記載がありました。

 国税庁のホームページにも、質疑応答事例の回答として「寄附者が特産品を受けた場合の経済的利益は、一時所得に該当します。」とあります。
https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/shotoku/02/37.htm

 ここから、小難しい話が続きます。
 私も、一般論として、もらった返礼品が一時所得に該当することに異論はありません。

 所得税法第34条第1項には、「一時所得とは、利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、退職所得、山林所得及び譲渡所得以外の所得のうち、営利を目的とする継続的行為から生じた所得以外の一時の所得で労務その他の役務又は資産の譲渡の対価としての性質を有しないものをいう。」と規定されています。

 ということは、利子所得から譲渡所得とは何かが分からなければ、一時所得を理解することはできないことになります。
 しかし、この8つの所得について解説していると、いつまで経っても本題に入れないので、返礼品は利子所得から譲渡所得までの8つの所得には該当しないという前提で話を進めます。(かなり強引ですが、お許し下さい。)

 では、いったい一時所得は、どう計算すればいいのか、という問題になります。

 このつづきは、次回以降にします。今日のところは、
1.年内にふるさと納税をされる方は、お急ぎ下さい。
2.ふるさと納税の返礼品は、一時所得に該当します。

 ここまです。


大矢芳敬

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posted by 大矢会計 at 12:15| Comment(0) | 税金全般

2014年02月10日

ゴルフ会員権の譲渡損失


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ゴルフ会員権の譲渡損失


名古屋の税理士の大矢芳敬です。


ゴルフ会員権を売却して赤字になった場合、

つまり買った値段より安くしか売れなかったら、

今までその損失額は、他の所得と損益通算ができました。


ところが、この損益通算は今年の4月1日以降できなくなる予定です。

例えば、ゴルフ会員権を200万円で購入し、

名義書換料を100万円、

会員権業者に手数料を10万円支払った場合、

このゴルフ会員権を取得するために310万円がかかっています。

これを120万円で売却し、

会員権業者に手数料を10万円払ったとしたら、

120万円−310万円−10万円=△200万円となり、

200万円損したことになります。


3月31日までなら、この200万円が他の所得から引けるのですが、

4月1日以降は引けなくなってしまう可能性があります。


所得によって税率が異なりますので、

この200万円の損失がどれくらい影響を及ぼすかは人によって違います。

課税所得が530万円ある人の場合、

所得税が20%、復興特別所得税が0.42%、住民税が10%ですので、

608,400円税金が安くなることになります。


課税税所得が200万円の場合は、324,000円税金が安くなります。


因みに、課税税所得が2000万円ある人の場合は、

1,016,800円税金が安くなります。


売却した日が3月31日と4月1日で

大きく税額が変わる可能性がありますので、

もしゴルフ会員権を売ることを検討しているのであれば、

税金のことも考慮しながら

売却するタイミングを決めていただくと良いと思います。


200万円の人は32万円しか税金が安くならないのに、

2000万円の人は101万円も税金が安くなるなんて、

金持ち優遇で「けしからん」とお考えの方、それは少し違います。


裏を返せば、課税所得が0円の人は、

200万円余分に稼いだ場合に32万円税金が増えるのに対し、

課税所得1800万円の人は、200万円余分に稼いだことにより

101万円税金が増えるということなのです。


大矢芳敬

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posted by 大矢会計 at 12:36| Comment(0) | 税金全般