2013年10月08日

利益が出ているのに、なぜお金がないのか(8)


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利益が出ているのに、なぜお金がないのか(8)


名古屋の税理士の大矢芳敬です。


なぜ、「利益が出ているのにお金がない。」

という事態が起こるのかについて、

前回まで説明してまいりました。


くどくどと書いてきた内容は、結局、

@お金の替わりに、他の資産が増えた。

Aお金が減った分、負債も減った。


のふたつだけです。

(1)〜(5)は@に該当し、(6)と(7)はAに該当します。


「黒字=お金が増える」「赤字=お金が減る」

というイメージはありませんか。

確かに、そのイメージは間違ってはいません。

しかし、お金が減った原因は、

何も「赤字」だけとは限らないのです。

他の資産に取って替わっただけ、

ということがあり得るのです。




家計で言えば、先月よりも今月の預金残高が少なくなれば、

今月は赤字ということになるでしょう。

しかし、例えば預金残高は減ったけど、

減った以上にトヨタの株が増えたとしらどうでしょう。

トヨタの株を売りさえすれば預金は増えるので、

それほど赤字という感覚は強くないのではないでしょうか。


会計の世界では、こういった場合、

キャッシュフローは赤字ですが、

儲けを表す損益は赤字とは考えない
のです。


また、お金が減った原因は、

借入金が減ったという場合もあります。

家計で言えば、住宅ローンの返済を月々の返済とは別に、

繰り上げ返済したらどうでしょう。

預金の減少以上に繰り上げ返済をすれば、

やはり赤字という感覚は薄れるのではないでしょうか。


このように、必ずしも「黒字=お金が増える」

とは限らないということなのです。

利益が出ているにもかかわらずお金がないという状況は、

ひとつの要因だけではなく複数の要因からなることが多いので、

今まで説明してきたことのように単純なものではありません。

しかし、それらの組み合わせにすぎないのです。


大矢芳敬

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2013年10月01日

利益が出ているのに、なぜお金がないのか(7)


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利益が出ているのに、なぜお金がないのか(7)


名古屋の税理士の大矢芳敬です。


利益が出ているのにお金がない、

という事態がなぜ起こるのか。

今回も、その要因のひとつをご説明します。


それは、「買掛金が減っている」ということです。


もともと現金が500万円、

買掛金が300万円あったとします。
(商品は仕入れたが、まだお金を払っていないもの)

商品200万円を掛けで仕入れました。
(この時点で買掛金は500万円)

そしてその商品を300万円で売り、

現金を受け取りました。

また、貯まっていた買掛金500万円を全額支払いました。


さて、現金はどうなったかと言うと、

500万円あったはずのものが、

300万円になってしまっています。

だって、商品を300万円で売って現金を受け取ったので、

一旦は現金800万円になりました。

しかし、その後買掛金500万円を支払ったので、

現金は300万円になりました。

もともと500万円のお金があったのに、

300万円になってしまったので、大赤字です。


しかし、これも会計の世界では、大赤字とは言いません。

前回の借入金の減少と全く同じ理屈です。


商品に関しては、

200万円で仕入れて300万円で売っていますので、

100万円の利益が出ています。

一方買掛金に関しては、300万円あったものが、

200万円掛け仕入れすることにより一旦は500万円に増え、

その後全額支払ったことによりゼロとなりました。

買掛金の支払いによる現金の支出は、

経費や損失とは考えません。

確かにお金はなくなりましたが、

支払わなければならないお金もなくなりました。

したがって、損はしていないのです。


あらためて利益について考えてみると、

商品を販売した利益は100万円です。

買掛金の支払いは利益に影響がありません。

したがって今期の利益は100万円と言うことになります。



現金は500万円から300万円になりましたが、

その代わり返すべき買掛金が300万円減少しました。
(途中で増えましたが、最初と最後を比べると300万円の減少)

現金は200万円も減っていますが、

買掛金はもっと多い300万円も減っていますので、

100万円の利益が出ていると考えるのです。


買掛金が一旦200万円増えています。

それが気になりますよね。

買掛金が増える時は、お金の増減はありません。

しかし、支払わなければならないお金が200万円増えています。

でも、その一方で商品が200万円増えています。


買掛金が増えたからと言って、

それで損失が出ているということはないのです。

大矢芳敬

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2013年09月24日

利益が出ているのに、なぜお金がないのか(6)


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利益が出ているのに、なぜお金がないのか(6)


名古屋の税理士の大矢芳敬です。


利益が出ているのにお金がない、

という事態がなぜ起こるのか。

今回も、その要因のひとつをご説明します。


それは、「借入金が減っている」ということです。

もともと現金が500万円、

借入金が300万円あったとします。

商品を200万円で仕入れて現金を支払いました。

そしてその商品を300万円で売り、

現金を受け取りました。

その後、借入金300万円を全額返済しました。



さて、現金はどうなったかと言うと、

500万円あったはずのものが、

300万円になってしまっています。

だって、200万円の商品を現金で仕入れた時点で

現金は300万円になりましたが、

300万円で売って現金を受け取ったので、

現金は600万円になりました。

しかし、その後借入金300万円を返済しましたので、

現金は300万円になりました。

もともと500万円のお金があったのに、

300万円になってしまったので、大赤字です。

しかし、これも会計の世界では、大赤字とは言いません。


なぜなら、商品に関しては、

200万円で仕入れて300万円で売っていますので、

100万円の利益が出ています。

一方借入金に関しては、300万円を返済した結果、

現金は300万円減少しました。

でも借入金も300万円減少しました。

この借入金の返済は、経費や損失とは考えません。

確かにお金はなくなりましたが、

支払わなければならないお金もなくなりました。

したがって、損はしていないのです。


このように、

借金をしてお金が増えたからといって収入としないかわりに、

借金を返してお金が減ったとしても、経費や損失にはしません。


あらためて利益について考えてみると、

商品を販売した利益は100万円です。

借入金の返済は利益に影響がありません。

したがって今期の利益は100万円と言うことになります。


現金は500万円から300万円になりましたが、

その代わり返すべき借入金が300万円減少しました。

現金は200万円も減っていますが、

借入金はもっと多い300万円も減っていますので、

100万円の利益が出ていると考えるのです。

大矢芳敬

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