2012年07月27日

消費税の問題点 (5)


例えば8万円で仕入れて、10万円で売るつもりでいたのに、

価格が暴落して6万円でしか売れなかった場合、

2万円の赤字です。


消費税率が30%の場合どうなるでしょう。


10万4千円で仕入れて、7万8千円で販売しましたので、

2万6千円の赤字です。


しかし、消費税を1万8千円預かって

2万4千円払っていますので、

差額の6千円が還付されます。

すると、赤字は2万円ということになります。


このように、預かった消費税よりも

支払った消費税の方が大きければ、

税金は還付されますので、

消費税導入前と赤字の額は変わりません。


一方、前回説明したように、課税商品を8万円で仕入れて、

非課税商品を10万円で売った場合、消費税導入前は、

8万円で仕入れて10万円で販売しますので、2万円の利益です。


ところが、消費税が導入されると、10万4千円で仕入れて、

10万円で売ることになるので、4千円の赤字となります。


預かった消費税が0円で、

支払った消費税が2万4千円ですので、

2万4千円還付されれば、2万円の利益となり、

消費税導入前と変わりません。


ところが、非課税商品を販売するために仕入れた

課税商品の消費税2万4千円は、

預かった消費税から引いてもらえません。


支払った消費税2万4千円は、

お店が丸々負担しなければならず、

売れば売るほど赤字が増えるという仕組みです。


こんなバカな話はないと、私は思うのですが、

税金を集める人達は全く問題にしていません。



大矢芳敬

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posted by 大矢会計 at 13:01| Comment(3) | 消費税の問題点

2012年07月12日

消費税の問題点 (4)


さて、問題は、非課税です。

消費税がかからない「もの」のことです。


材料をタダで集めてきて加工し、

8万円で販売するお店と、

それを仕入れて少し手を加え

10万円で販売するお店があった場合に、

8万円の「もの」は消費税がかかるもの(課税商品)で、

10万円の「もの」は消費税がかからないもの(非課税商品)

だとします。


消費税の税率が30%で考えてみましょう。

8万円で販売するお店は、

前回までの説明どおり8万円の利益があります。

10万4千円で売るけれども、

消費税を2万4千円納めるので、

利益は8万円ということです。


一方、8万円で仕入れて10万円で販売するお店は、

非課税商品ですから税率が30%だからと言って13万円で販売することはなく、

10万円のままで販売します。

ところが、仕入れる時は10万4千円で仕入れています。


10万4千円で仕入れて、

少し加工して非課税商品が出来上がり、

10万円で売ると、4千円の赤字です。


これまでの考え方からすると、

預かった消費税はゼロで、

支払った消費税が2万4千円なので、

2万4千円が税金として返ってきて、

利益は2万円となるはずです。


しかし、そうはいかないのです。


これは大問題だと、私は思っていますが、

税金をかき集める側からすると、

何の問題もありません。


税収は全然足りてないわけですから、

一部の人にとって理不尽な制度になっていたとしても、

それらの人の意見は無視されて終わりです。


つづきは、次回にします。

いつも、読みづらい文章で申し訳ありません。



大矢芳敬

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posted by 大矢会計 at 12:50| Comment(0) | 消費税の問題点

2012年07月05日

消費税の問題点 (3)


消費税が30%になったと仮定しましょう。


タダで材料を集めてきて、

8万円プラス消費税2万4千円の10万4千円で売ったお店は、

10万4千円利益がありますが、

2万4千円は税金として納めますので、

結果、利益は8万円です。


10万4千円で仕入れて、13万円で売ったお店は、

2万6千円の利益がありますが、

消費税を3万円預かって2万4千円払っていますので、

差額の6千円を税金として納税します。

すると、利益は2万円です。


消費税が導入される前の、タダで材料を集めて8万円で売り、

それを買ったお店が10万円で売っていた時と、

利益は変わりません。


変わるのは、その商品を購入した一般消費者と国(国税と地方税)だけです。

つまり、一般消費者は3万円多く支払い、

国は3万円税収が増えますが、

お店には損得はありません。


ホント、読みづらい文章ですみません。

次回から、本題に入ります。

なに!? 次回から本題だと? 今までのは何だったんだ?

とお怒りの方、誠に申し訳ありません。

今までは・・・。

本題を理解して頂くための、基礎知識とでも申しましょうか。

とりあえず、基礎編です。



大矢芳敬

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posted by 大矢会計 at 12:48| Comment(0) | 消費税の問題点