2013年09月24日

利益が出ているのに、なぜお金がないのか(6)


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利益が出ているのに、なぜお金がないのか(6)


名古屋の税理士の大矢芳敬です。


利益が出ているのにお金がない、

という事態がなぜ起こるのか。

今回も、その要因のひとつをご説明します。


それは、「借入金が減っている」ということです。

もともと現金が500万円、

借入金が300万円あったとします。

商品を200万円で仕入れて現金を支払いました。

そしてその商品を300万円で売り、

現金を受け取りました。

その後、借入金300万円を全額返済しました。



さて、現金はどうなったかと言うと、

500万円あったはずのものが、

300万円になってしまっています。

だって、200万円の商品を現金で仕入れた時点で

現金は300万円になりましたが、

300万円で売って現金を受け取ったので、

現金は600万円になりました。

しかし、その後借入金300万円を返済しましたので、

現金は300万円になりました。

もともと500万円のお金があったのに、

300万円になってしまったので、大赤字です。

しかし、これも会計の世界では、大赤字とは言いません。


なぜなら、商品に関しては、

200万円で仕入れて300万円で売っていますので、

100万円の利益が出ています。

一方借入金に関しては、300万円を返済した結果、

現金は300万円減少しました。

でも借入金も300万円減少しました。

この借入金の返済は、経費や損失とは考えません。

確かにお金はなくなりましたが、

支払わなければならないお金もなくなりました。

したがって、損はしていないのです。


このように、

借金をしてお金が増えたからといって収入としないかわりに、

借金を返してお金が減ったとしても、経費や損失にはしません。


あらためて利益について考えてみると、

商品を販売した利益は100万円です。

借入金の返済は利益に影響がありません。

したがって今期の利益は100万円と言うことになります。


現金は500万円から300万円になりましたが、

その代わり返すべき借入金が300万円減少しました。

現金は200万円も減っていますが、

借入金はもっと多い300万円も減っていますので、

100万円の利益が出ていると考えるのです。

大矢芳敬

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2013年09月17日

利益が出ているのに、なぜお金がないのか(5)


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利益が出ているのに、なぜお金がないのか(5)


名古屋の税理士の大矢芳敬です。


利益が出ているのにお金がない、

という事態がなぜ起こるのか。

今回も、その要因のひとつをご説明します。


それは、「固定資産(減価償却資産)が増えている」

ということです。

もともと現金が500万円あったとします。

今年の初めに車を300万円で購入し、

現金を支払いました。

その後、商品を200万円で仕入れて

現金を支払いました。

そしてその商品を300万円で売り、

現金を受け取りました。


さて、現金はどうなったかと言うと、

500万円あったはずのものが、

300万円になってしまっています。


だって、最初に300万円の車を現金で購入したので、

一旦現金は200万円になってしまいました。

そして、その後、200万円の商品を現金で仕入れ、

300万円で売って現金を受け取ったので、

現金は300万円になりました。

500万円のお金があったのに、

300万円になってしまったので、大赤字です。


でも、やはりこれも、会計の世界では、

大赤字とは言いません。


なぜなら、商品に関しては、

200万円で仕入れて300万円で売っていますので、

100万円の利益が出ています。

車に関しては、現金300万円を支払いましたが、

300万円の価値がある車を手に入れました。

ここからが前回の土地と異なるのですが、

車は減価償却をします。

減価償却はこちら

車は6年使用する予定です。

そうすると、

今期の減価償却費は50万円となります。
(300万円÷6年=50万円)

車の今期の経費は50万円だけで、

購入した300万円との差額250万円は、

来期以降の経費となります。

(この250万円のことを、車の帳簿価額と言います。

車は買った当初300万円でしたが、

50万円減価償却したことにより、

車の価額を50万円マイナスします。)


あらためて利益について考えてみると、

商品を販売した利益は100万円です。

車の経費(減価償却費)は50万円です。

結果的に、今期の利益は50万円と言うことになります。


現金は500万円から300万円になりましたが、

そのかわり帳簿価額250万円の車が残りました。

現金は200万円も減っているのに、

50万円の利益が出ていると考えるのです。


今回はとても分かりにくい説明になってしまいました。

折を見て、もう少し分かりやすい文章を書いてみたいと思います。

大矢芳敬

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2013年09月13日

利益が出ているのに、なぜお金がないのか(4)


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利益が出ているのに、なぜお金がないのか(4)


名古屋の税理士の大矢芳敬です。


利益が出ているのにお金がない、

という事態がなぜ起こるのか。

今回も、その要因のひとつをご説明します。


それは、「固定資産が増えている」ということです。


もともと現金が5000万円あったとします。

商品を100万円で仕入れ現金を支払いました。

そしてその商品を150万円で売り、現金で受け取りました。

また、駐車場用地として、

土地を4000万円で購入し現金を支払いました。


さて、現金はどうなったかと言うと、

5000万円あったはずのものが、

1050万円になってしまいました。

だって、100万円の商品を現金で仕入れ、

150万円で売って現金を受け取ったので、

一旦現金は5050万円に増えました。

しかし、土地を4000万円で買い、

現金を支払ったので、1050万円に減ってしまいました。

5000万円のお金があったのに、

1050万円になってしまいました。大赤字です。


でも、やはりこれも、会計の世界では、大赤字とは言いません。


なぜなら、商品に関しては、

100万円で仕入れて150万円で売っていますので、

50万円の利益が出ています。

土地に関しては、現金4000万円を支払いましたが、

4000万円の価値がある土地を手に入れました。

したがって、利益にも損失にもならないと考えるのです。



つまり、5000万円の現金が

1050万円の現金と4000万円の土地に換わったのです。

50万円の利益が出ていると言われても、

なんとなく分かるような気がしませんか。


次回は、土地ではなく、

車を買った場合について考えてみたいと思います。


大矢芳敬

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